(出版業界ではすでにご存知の方も多いと思いますが)2010年3月25日に掲載された米ウォールストリート・ジャーナルの記事によれば、米国でリリースされたi Padの人気が過熱した結果、雑誌のデジタル配信がにわかに注目を浴び、その影響で米国のタイム誌が予定している「タイム i Pad版」の広告料金が、1スペース20万ドル(US1ドル=93円換算で約1860万円)に達したとのこと。
当社の広告営業が聞いたら、思わず失神してしまいそうな値段ですが、すでにトヨタ自動車などの大手企業が広告掲載を予定しているそうですよ。
GQやEsquireなど、アメリカのライフスタイル誌がこぞって展開を始めているデジタルマガジンですが、実際にi phoneでダウンロード(以下DL)してみると、けっこう重いのが難点ですね。
GQのデジタル版(ちなみに350円)なんて、wi-fiでも全ページDLするのに数分かかります(一旦DLするととっても使いやすいんですが...)。
以前に本ブログでも紹介しましたが、弊社のデジタルマガジンは現在2つの会社に販売を委託しており、一方はハイブリット・ストリーミング形式で展開中。このため常に前後数ページのみをDLすることで、3G環境でもすぐに見ることが可能なんですが、それでも通勤電車の中などで見ると、けっこうイラつく場合もありますね。
もう1社の方は全コンテンツをDLさせる形式で販売しているためオフラインでも読めるのが利点ですが、ビューワーの完成度はもう一歩。特に本文部分の拡大表示が甘く、もう少し大きい文字で読めたり、別途テキストだけを抽出できたりすると、もっと読みやすくなると思うのですが。
というワケでi Phoneで読むなら「やっぱり産経新聞が一番だな」と思っていたのですが、i Padの登場で少なくともハードウェア側の問題はクリアされそうで、結果雑誌のデジタル配信が加速度的に普及しそうな兆しです。
i Pad 版デジタルマガジンの基本的な考え方は、プリントメディアのままの体裁でデジタル配信をするのではなく(注:既存のデジタルマガジンの多くは出版物と同じ体裁・レイアウトのままデジタル配信しているものが大半です)、デジタル版専用に動画を加えたり、レイアウトを変更したりして、プリントメディアとの差別化を図り、付加価値を高めているのが特徴。
電子ペーパーを採用したことで、現段階では表示もモノクロで、その構造上スクロールも出来ないキンドルがあくまでも書籍や文庫向けのリーダーであるのに対し、液晶を採用したi Padはまさにエンタメ向けの情報端末。雑誌向けにこれほど期待できるリーダーはないでしょう。
そのためか、広告媒体としての価値も高まっており、タイム誌の広告が1枠20万ドル(約1860万円)となったとか。
それにしても、出版不況の最中とは思えない景気の良さですね。