米フォードモーターのフルサイズバン・Eシリーズは、「150 passenger-miles per gallon」なんだそうです。
これは「1ガロンあたり何キロ走行できるか」という一般的な燃費性能に、最大乗車定員数をかけたもので、ちょっと変わった燃費性能の評価基準です。
フォード・Eシリーズの燃費は15mpg。これは1ガロン(約3.8リッター)あたり15マイル(約24km)走行できるというもので、これに乗車定員10名をかけると、「150 passenger-miles per gallon」と数値になります。
確かに同じ燃費性能なら、より乗車定員が多いクルマの方が1人あたりのエネルギー効率はいいですよね。フルサイズバンという特殊なクルマならば、こういった評価基準があっても納得できます。
ちなみにフォードの中核パッセンジャーカーのトーラスは3.5リッター・DOHC・V6エンジンで燃費が18mpg(街中)。乗車定員が5名なので「90 passenger-miles per gallon」。
燃費性能の高さを誇っている2011年モデルのマスタング・V6は新開発の3.7リッター・DOHC・V6で19mpg(街中)。乗車定員は4名なので「76 passenger-miles per gallon」。なんと1人あたりのエネルギー効率ではEシリーズの半分になってしまうんです。
この「passenger-miles per gallon」という、ちょっと耳慣れないエネルギー効率の評価基準でフォード・Eシリーズを褒め称えているのは、アメリカ最大のバンプール・オペレーション会社の「VPSI」社。
公共交通機関が充実していないアメリカでは、どうしてもクルマ通勤が主体になりますが、そのほとんどがクルマ1台にドライバー1人が乗車しているだけという非効率なもの。複数以上の乗車に限り走行できるフリーウェイの「カープール」がガラガラなのも頷けますね。
そこで、近所に住んでいる人たちが通勤グループを作って、1台の乗合バンに相乗りし、通勤費用を節約するというのがバンプール。同社によればバンプールの利用で年間平均5000ドル(1ドル90円で45万円)の通勤費削減ができるそうです(本当かよって気もしますが)。
「VPSI」社では、このバンプール用の車両として現在5000台ものフォード・Eシリーズを使用しており、特別仕様の10人乗りEシリーズの燃費計算をすると、前述した「150 passenger-miles per gallon」というエネルギー効率が算出されるとか。
車両単体では褒められるほど燃費性能が良いワケではないEシリーズですが、使い方を変えるとエコなクルマに変わるんですね。
ちなみにトヨタ・プリウスは51mpg(街中)の5人乗りなので「255 passenger-miles per gallon」。サスガですね。