かつて豆乳も作っていたフォード
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20世紀初頭まで、自動車は木や鉄を使って組み立てられていましたが、現在では鉄やアルミ、プラスティックにカーボンファイバーなど、多様な素材を組み合わせて生産されています。
最近ではバイオマスプラスティックと呼ばれる植物性プラスティックも登場し、今後の自動車生産に欠かせない存在として大きな注目を集めているようです。
自動車製造における植物系原材料は、従来の石油製品と比較してコスト面で有利になりつつある上、温暖化ガスの発生を抑えることができるなどメリットが多く、自動車の原材料として近年使われることが多くなってきています。
これらの植物系原材料は世界最大の大豆生産国であるアメリカでは早くから注目されており、デトロイト3のひとつ、フォードの車両にも採用されています。
市販車では「フォード・マスタング(英:MUSTANG 類:ムスタング)」のインテリアにも、大豆を原料とした新素材が採用されているんです。
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世界最大のシートメーカーであるリア・コーポレーションと共同開発されたこの新素材は、マスタングのシートに採用された大豆製発泡フォーム。
この素材は石油から生産するポリウレタンフォームと比較して生産時に使用するエネルギーを最大24%削減できるほか、生産から廃棄にいたるライフサイクル全体でCO2排出量を大幅に低減できるというもの。
また、100%に近いリサイクル率を誇る上、ポリウレタンフォームと比較して重量の軽減も可能と、自動車の原材料としても最適な性能を誇っています。
このようにエコな側面も持つマスタングですが、じつはフォードが植物系の原材料を使うのは、今に始まったことではありません。
フォード・モーターカンパニーの創業者であるヘンリー・フォードは、産業と自然を共生させるため20世紀初頭にはすでに植物系の原材料を自動車に転用するアイデアを実現。自社の生産工場用地に大規模な畑を開墾し、小麦を使ったコイルケースや大豆を原料にしたプラスティックを開発していました。
1933年には大豆を原料に使った自動車パネルの実用化を達成。その2年後となる1935年にはフォードの自動車1台あたりに使用される大豆製品の使用量が、なんと1kg近くもあったというのですから驚きです。
1940年にはヘ ンリー・フォード自身が、その強度を証明するために大豆プラスティックで作られた自動車のトランクに斧を振り下ろし強靭さを伝えたという有名なエピソードもあるほど。
この宣伝によっ て大豆プラスティックの評価は一段と高まり、石油製プラスティックがより安価で手軽に入手できるようになるまでの間、自動車パネルのひとつとして重宝されたそうです。
しかもヘンリー・フォードは大豆の加工工程で生まれる豆乳も無駄にせず、なんと飲用の豆乳として「Ford Soy Milk(豆乳)」の市販化にも着手。自宅でも毎日の様に大豆料理を楽しんでいたというのですから何から何まで徹底していますね。
ちなみに大豆には集中力をアップさせるビタミンB群と、老化を防ぐビタミンEが含まれており、脳の機能を活発にする効果が期待できるのだとか。
ヘンリー・フォードのアイデアの源は、じつは毎日の食卓に欠かさなかったという大豆にあったのかもしれませんよ。
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▲左上:「リンカーン・MKRコンセプト(Lincoln MKR Concept)」のシートには大豆製発泡フォームが採用されていました。▲右上:「リンカーン・C・コンセプト(Lincoln C Concept)」にも大豆製発泡フォームを採用。